ここ数年のパソコン教室で教えてきたささやかな経験から、パソコンの勉強をを如何に効果的に行ったらよいかの私なりの経験の一端を披露させて頂きます。先ずはWindows操作の基本をマスターする
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インターネットなどランダム処理の概念がなかった時代のソフトウェア開発は手順指向(ProcedureOriented)と言ってある手順に従って順次に命令を実行していくという考えでソフトウェアが開発」されていました。所が、近年オンライン・システムやInternetが出現すると、このような手順通りの順次処理では対応できなくなり、ObjectOrientedという開発手法が考案されて来ました。 |
この手法は、ソフトウェアは色々なObject(物或いは要素)によって構成され、ソフトウェアはそれらのObjectの属性(名前や性質)と方法(起こす行動)を規定することによって開発されるという考えで、現代のほとんどのソフトウェアはこの手法に立脚していると言っても過言ではありません。
例えば、ホームページ・ビルダーを使ってウェブ頁を作成する場合を考えますと、先ずこの場合最大のObjectはその頁そのもので、その頁の1部を指定して右クリックして表示されるショートカット・メニューから「属性の変更」を選択し、その頁の名前(タイトル)や文字・背景色などの属性(プロパティ)を規定します。更にその頁内にある段落、表、画像、リンク等々の色々なObjectの属性を同様にして規定して行けばその頁は出来上がるというものです。
EXCELでセル等のObjectの属性は右クリックして表示される属性(プロパティ)指定のダイアログ・ボックスでかなりの操作が可能なことは皆さんもご存じの通りです。
巷のパソコン教室などで教えている風景を観察しますと、講師はある一連の操作の手順をステップ・バイ・ステップで説明し、受講生はその手順を一生懸命ノートに取り覚えようとしています。私の経験ではこのような学習の仕方ではそのソフトウェアの仕組みは中々理解できず、結局そのソフトウェアを使いこなすまでに大変時間を要します。
この点で感心しましたのは、生涯学習センター提供のパソコン講座のT先生の教え方です。先生は一連の機能操作を説明する場合、先ず最初は受講生に絶対に先生と一緒に操作をさせないで、先生の説明を良く聞きながらその操作の機能の仕組みを理解するように求めます。これは大変有効な教え方だと思います。受講生はステップ・バイ・ステップの詳細な手順をノートする代わり、その一連の操作で何を目指しているか、そして関与する仕組みを素早くノートするか理解すべきだと思います。 |
アプリケーション・ソフトには操作者の利便を考えてツール・バーに色々なツール・ボックスを用意してあります。しかし、小生は最初はこのような便利なツール・ボックスを使わない方法で覚えた方が操作の仕組みを理解しながら学習できると思います。
この一文の最初の項で述べましたように、アプリケーション・ソフトの操作の基本は編集と保存から成り立っています。従って、アプリケーション・ソフトの操作の殆どはツール・ボックスを利用しないでも、メニュー・バーのメニューから表示されるコマンドによって実現できます。 |
複雑なソフトになりますと用意されているツール・ボックスは夥しい数になり、それを覚えるだけでも大変な努力を要しますし、第一ツール・ボックスをクリックしていくだけでは実現しようとする機能を理解できません。
メニュー・バーのメニューから表示されるコマンドを基本的には利用し、更に設定・変更しようとするObjectを右クリックすることによって、そのObjectの属性を規定する方法はこれから何をしようとしているかを頭に入れていないと出来ないことですから、仕組みを理解しながらの操作を学習するのに適していると思います。
以上のような理由で、私はパソコン教室で教える場合は、極力メニュー・バーからコマンドを選択し、その上で目的のObjectを右クリックして属性を設定する方法を取ります。 勿論一旦、ソフトウェアの仕組みを理解した後では、ツール・ボックスの利用も大変重宝する場合もあります。
平成20年5月末日 長兵衛記