最近インターネット上のウェブ・サイトを検索していて気付くことの一つは、質の高いサイトが増えてきたということです。
 
 例えば、小生は最近の四国お遍路の旅を計画する段階で、先ずホテルや民宿などの宿泊先のサイトを検索して宿泊料や設備や場所などのこことを調べて旅の計画に資するようにします。次に、その都度歩いて通る土地の地方自治体のウェブ・サイトを覗いてその地方の地理や歴史などを調べます。また道中有名な史跡や学校などがあるとそのことを調べてその旅がより充実したものになるよう計画します。

今治城      

 このようなウェブ・サイト検索の過程でホテルとか地方自治体とか学校などのサイトが一頃に比べて大変機能的になり、また見栄えが良くなって来ていると感じています。

 先ず、ウェブ・サイトが機能的になってきていると云うことはそのサイトの設計者がターゲットとする訪問者の立場にたったコンテンツを用意していることでしょう。

 次に、サイトの見栄えが良くなっているということは、サイトの製作者が最新の技術を勉強して、それらを応用していることに他ならないと思います。

 そこで今回は「より質の高いウェブ・ページを目指して」のシリーズの第1弾として、期待されるターゲットの訪問者が満足するコンテンツはどのようなものかを考察してみます。コンテンツの質に就いての一般論は中々具体性が乏しくなりますので、ここでは同好会のメンバーの何人かは登山や旅行好きの方がいますので、その分野に就いての具体的な議論をしてみます。


紀行文のコンテンツはどうあるべきか?

(1) 記述に歴史的、地理的、社会的厚みを持たせる

単なる旅の行程や写真の羅列でなく、歴史的、地理的、社会的厚みを持たせることによって読者に紀行文の質の高さで感銘をあたえる。その為には、旅立ちの前に訪問する場所の歴史・地理や社会的な知識の下調べが必要でしょう。この下調べには何も旅行案内書など買わなくても、インターネット上から十分情報が得られるし、このウェブ・サーフィンによってこれから訪ねる旅の気分を高めることが出来るだけでなく、他人の作成したサイトの良し悪しに就いての勉強も出来て一石二鳥です。

(2) 主観的なコメント或いは感情表現を加える

訪ねた場所に就いての単なる説明だけでなく、個人的な感想や感情を表現することも読者の共感を呼ぶことになります。感情表現は書き手の文章力に依存するところが大きいので、日頃からすぐれた紀行文などを読んで文章力を養っておくことも大切です。紀行文には過度の主張は考え物ですが、その文に何らかのメッセージが含まれていると読者の注意を惹くものです。
この点を演出するものとして、その場所で自分の読んだ短歌や俳句を載せることは大変有効だと思われます。或いはその場所で過去に文人が読んだ歌などを載せることでもよいと思います。 或いは写真の替りに自分で描いたスケッチを載せたり、自分で作曲した曲をBGMとして流すことも効果があるでしょう。
こう考えてくると、質の高いウェブ・サイトはハイレベルのマルティ・メディアの総合体であると言えると思います。

(3) 単なる旅の行程の説明だけでなく地図を載せる

訪ねた旅の行程の文章による説明だけで無く、行程が視覚的に判る地図を載せると読者により判りやすくその行程を伝えることが出来る。

但し、地図には著作権があるので、矢鱈に地図帳からコピーしたり、インターネットからダウンロードして利用することは出来ません。

以下に、地図の利用方法を幾つか説明します。

A. GoogleやYahooに登録してから、目的の部分のGoogle地図やYahoo地図をダウン・ロードする。

   登録やダウンロードの操作の方法は、例えば「ホームページ・ビルダー15」の挿入メニューから行
   える。
   GoogleやYahooに自分のIDを登録すれば、著作権法に抵触することなく、
   地図を自分のウェブ・サイトに張り付かることが出来ます。

   先ず、<ユーザーIDを登録> → <地図挿入場所指定> → <挿入メニュー> → 

   <マップ> → <Yahoo/Google> → <ID確認/アプリID設定のダイアログ> → 

        
                  アプリID設定ダイアログ・ボックス

   <アプリID設定> → <地図サイズ/場所指定> → <地図挿入>

   上の「アプリケーションID設定」ダイアログでその都度アプリIDを設定した後、
   これが地図使用許可となるので、上のアプリID窓に設定したIDを書き入れて、OKボタン
   をクリックすると、予め指定したウェブ・ページの箇所に地図がCSSを通して挿入される。
 
   
                Yahoo地図からダウンロードして張り付けた今治城付近の地図


B. 「カシミール3D」の一連の地図Bookを購入すると、そのオマケとして付いてくる地図編集ソフトで
    国土地理院地図(5万分の1 or 2万5千分の1)を作製する。
    
    ☆平面地図作製: <ジャンプ・メニューで場所指定> → <範囲指定> → <地図保存>

    この地図には「カシミール3D」の地図編集ソフトで、下の地図のように、自分の歩いた場所の名前
    とアイコンと軌跡を記すことが出来ます。

    
                 今治駅ー今治城ー五十四番延命寺ー五十五番南光坊 ルート平面地図

    ☆地勢図断面図作成: <歩行ルート指定> → <ルート操作> → <グラフ作成>

     また、編集した地図から下のように3Dのルート地勢断面地図をも作成することが出来ます。
     この種の地勢断面地図は登山、トレッキング、お遍路などの計画に大変役立つものと同時に、
     ターゲット読者の興味を強く引き付けるものだと思います。

    
                今治駅ー今治城ー五十四番延命寺ー五十五番南光坊 ルート地勢断面地図

    但し、作成された地図を自分のウェブ・サイトに掲載するには、国土地理院に申請して許可を得る
    必要がある。

C. 地図上に撮影した写真や自分が移動軌跡を添付することが出来ます。

   その為には以下のようなGPSデータ取得機器が必要です。

   GPSデータ取得機器の例:

   a)  Garmin eTrex Legend HCx GPSナビゲータ

   b) GPSコンパス機能搭載デジカメ

    例:1.Casio EX−H20G 27,800円 地図データ内臓 10分毎GPSデータ取得 モーション・センサー
       2.Panesonic DMC−TZ10 デジカメ 17,000円 写真に位置情報記録 地名情報内臓
       3. Sony DSC−HX5V 17,500円 方位・位置情報記録 パソコンの地図上に写真プロット

   筆者が調べた所によりますと、平成23年1月現在で上に挙げた3機種のデジカメがGPSコンパス機能
   を持っているようです。

   カタログによりますと、特にCasioのEX−H20Gは優れもののように思われます。
     日本国内・海外の主要都市をカバーする3万5千分の1の詳細地図、
     日本全土・海外主要都市をカバーする54万分の1の準詳細地図、及び
     全世界をカバーする1,100万分の1の広域地図
   を内蔵し、カメラの地図ボタンを押すと、モニターにその場所の地図が表示され、自分が何処にいるか
   判るようになっています。

   また、モーション・センサーが内蔵されているので、カメラが移動している場合だけ、10分毎に衛星か
   らGPS情報を受信し、撮影場所のみならずカメラの移動軌跡までもがモニター上に表示されます。
   勿論、このような撮影場所・時間及び移動軌跡は自分のパソコン上のGoogle地図のようなGPS地図上
   にプロットして表示出来る筈です。
   このデジカメの価格が家電量販店やネット・ショップの実勢価格で何と27,800円という安さですから、
   GarminのGPSナビゲーターが5万円台というのを考えると、驚きという他ありません。
   
   今後、筆者も機会があったらこのCasioのEX−H20Gを買い求めてテストしてみたいと思っています。