この数年間HTMLのタブによって見栄えをよくする設定は出来るだけ避けるように推奨されて来ました。即ち、FontやSizeのような指定はHTMLのタブで行うのを避けて、そのような書式の設定は出来るだけCSSに任せるように推奨されて来ました。
 
 然しながら現実には、ウェブ・ページをホームページ・ビルダーなどのホームページ作成ソフトウェアによって安直に作成してきた素人にはCSSを使って見栄をよくすると言ってもその必然性を実感出来ないでいると思われます。。
  
 このレッスンでは今後は何故ウェブ・ページの書式の設定はHTMLのタブでなくCSSに行う必要があるかをWWW(WorldWideWeb)の歴史から学ことにします。


World Wide Web の歴史から学ぶ

(1) WWWの誕生

1989年CERN(欧州原子核研究機構)のTimBerners-Leeによって提案された。
目的は誰にでも、どんなコンピューターからでも情報をアクセス出来る記述言語としてHTMLが考案され、
HTMLのタグで見出しや段落などの論理構造を設定しようというのが原点であった。

1995年HTML2.0がリリースされ、PlatformIndependenceが目標とされ、WWWの普及が始まった。
(2) 視覚的デザインを目指したブラウザー独自のタグ創設の競争

WWWが普及するに従って新しいタグによってウェブ・ページの視覚的デザインを高めようという競争が始まった。所謂ブラウザー間の市場シェアを争う競争が始まった。

この結果、ウェブ・ページのデザイン性が高まり、WWWの普及に役立った。
反面、特定のブラウザーを使用しないと情報を表示できないという弊害が出てきた。 同じブラウザーでもバージョンによってはあるタグは使えないということも起こって来た。
(3) WWWの原点に回帰する機運

1997年末HTML4.0がリリースされ、
視覚的デザインを指定するHTMLタグの将来的廃止の方針が明示された。

当面は出来るだけFONTなどの視覚的デザインのタグは使用しないよう推奨され、その代りCSSによる書式の設定が推奨されるようになった。

(4) 最近の動向

2000年にXTML1.0のリリースでHTMLの論理構造記述性が強化された。

2003年にXTML1.0のSecond Editionのりりース。CSSの一層の強化と、iPhoneなどの出力デバイスにも対応。
    
2003年にHTML4.01とXHTML1.0のリリース。

2007年にCSS2.1勧告候補がリリースされた。

2008年にHTML5の草案がリリースされた。

2009年〜2010年にかけてWWWの変革に呼応して;

      InternetExplorer8、Firefox3.6、GoogleChrome8、Safari5.0、Opera10が相次いでリリースさてた。
      windows7の発売。

(5) 将来HTML5のリリースに呼応して起こること

視覚設定タグを使わないようにという推奨からそのようなタグの廃止へと向かう。

論理構造と視覚デザインの完全独立に向かう動き。

HTMLとCSSとJavaScriptの連携によるより魅力的なウェブ・ページ作成の時代となる。

各種ブラウザーもこの動きに呼応して更改されるでしょう。

ホームページ・ビルダーなどホームページ作成ソフトもこの動きに呼応して、CSSとJavaScriptを積極的に取り組んで行く方向にアップグレードされていくでしょう。

(6) これから私たちはどう対処すべきか?

全くの素人なら兎も角、少なくとも「ホームページ同好会」の一員として数年間勉強して来た謂わばセミ・プロとしては、今の内からCSSやJavaScriptの基礎を勉強し始め、少なくともHTML-CSSーJavaScriptの連携の仕組みも理解しておくように心掛ける必要があるでしょう。

次回の「より質の高いウェブ・ページを目指して(3)」ではこの辺りの基礎レッスンを掲載する予定です。