(2)登山準備としてのルート地図作成 

 「カシミール3D」というソフトは同名の一連の書籍に付属として付いている地図編集ソフトで、それを通して国土地理院の”5万分の1”と”2万5千分の1”地図データを呼び出し、それに自分の計画している山行きのルート情報等を付して色々と編集・加工出来る機能を持った登山やハイキング愛好家にとっては大変便利で面白いソフトです。

 この一連の書籍には:
  「カシミール3D入門編パーフェクトマスター編GPS応用編GPSで山登り編図解実例集・・・等々があります。何れも一冊2,000円前後で買える手軽な本ですが、このソフトの使い方を習熟するには、先ず入門編から入って、次にパーフェクトマスター編で勉強すれば良いのではないかと思います。更に今回の小生のように実際にポータブルGPS機器と連携させて地図編集を楽しむには、3番目のGPS応用編を読む必要があるのではないかと思います。4番目のGPS山登り編は、関東甲信越の有名な300の山への登山コースのGPSルート・データが収録されているCDが付属しているので、自分で白紙からルート・データを作成しなくても済みますので大変便利です。

 さて、この頁では登山準備としてのルート地図作成に就いて説明致します。

 先に触れましたように、「カシミール3D」ソフトを使えば、国土地理院の”5万分の1”か”2万5千分の1”の地図をパソコン上で呼び出し、それに自分がこれから登ろうと計画している山へのルート情報、例えば区切りポイントの名前、アイコン等を付加したルート地図を作成することが出来ます。


国土地理院の2万5千分の1に自宅周辺のウォーキング・ルートを描いた例

 然も、このルート地図は国土地理院の”5万分の1”か”2万5千分の1”の地図データを利用しているので、ルート地図の背後に各区切り地点の経緯度や標高等のGPSデータが含まれているのです。従って、このソフトの素晴らしいところは、描いたルート地図が直ぐに登り下りの模様を示す断面図に変換出来ることです。このことで、登山の場合はこの区間が急な登りで大変だろうというような判断が出来る訳で、登山の時間配分に役立ちます。

自宅周辺のルート地図の断面図の例

 更に、素晴らしいことには、上のルート地図には自分が歩くルート上の地点だけでなく周辺のGPSデータが含まれているので、そのGPSデータを利用して周辺の風景の3D画像をシミュレーションして描くことも出来るのです。これは計画している山行きで、その山の頂上に立ったら、どの方角にどのような山々が眺められるかも事前にシミュラートして描いて見ることが出来るのです。


自宅周辺のウォーキング・ルート上のある地点(この場合は南バス停)より北方向を臨んだ大椎城址丘陵のシミュレーション画像

 従来は、山行きの準備として以上の”ルート地図”、”ルートの断面図”、及び”頂上からのシミュレーション画像”の3点セットを準備し、紙に印刷してから登山に出掛けていました。しかし、今回はこの紙に印刷されたルート地図の替わりに、そのルート地図データをポータブルGPS機器にアップロードしてから、そのGPS機器を山行きに携帯して登山のナビゲーションに利用しようと試みました。

 次の頁では、”(3)GPS機器による登山中の軌跡作成に就いて述べることにします。  この記事の目次はここをクリック。