ポータブルGPS機器


(1)GPS機器とパソコン・ソフトの連携

(2)登山準備としてのルート地図作成

(3)登山中のナビゲーションと軌跡作成

(4)歩行軌跡ダウンロードとその分析

(1)GPS機器とパソコン・ソフトの連携

 ここ数年来、「カシミール3D」という地図編集ソフトを使って登山準備にルート・マップ作成などして登山計画に役立てて来ましたが、実際に自分が歩いた軌跡をポータブルGPS機器を携帯して記録したことはありませんでした。

 近年、自分の体力の衰えから自分の登山の折の歩行時間が登山の案内書に記載されている標準時間よりかなり長くなりつつあることが気掛かりになっていました。当然、登山の折は小さいノートを持参してポイント毎の時刻を手作業で記録しておりましたが、この現実をもう少し厳密に然も自動的に記録し、分析出来ればと思っていました。

 今年2009年の7月末、例年のように奥志賀高原に避暑に出掛ける前に、思い切って大枚をはたいてポータブルGPS機器を買い求めました。高原での山歩きやゴルフのお遊びの合間にそのGPS機器のマニュアルに首っ引きで勉強しました。残念ながら、今年の初夏は戻り梅雨とか言ってそれを的確に山歩きの為に使いこなす機会を掴むことが出来ませんでした。

 この一文は高原から帰ってから、マニュアルをよく読み直し、実際に自宅近辺のウォーキングに携帯して試してみた結果を纏めたものです。

 先ず、ウォーキング・ルートの決定は、「カシミール3D」ソフトで表示される国土地理院の”5万分の1”か”2万5千分の1”の地図上で事前に描きます。そのルート上の重要ポイントには名前を付す事が出来ます。然も、このソフトの素晴らしいところは、描いたルートが直ぐに登り下りの模様を示す断面図に変換出来ることです。このことで、登山の場合はこの区間が急な登りで大変だろうというような判断が出来る訳で、登山の時間配分に役立ちます。

 次に、この自前のルート・データーは、USBケーブルを通じてポータブルGPS機器にアップロード出来ます。このルート・データが皆さんカーナビでお馴染みのように、山歩きの際のナビゲーションに使えるのです。ナビゲーションの際には自分で予め名前を付けた区切りポイント毎に、次はどの方角に進めば良いかがポータブルGPS機器の画面に表示されます。勿論、カーナビと同じように、自分のこれまで歩いてきた平均スピードが計算され、それによって目的地への到着予定時刻が提示されます。

 更に、ルートの歩行開始前に、GPS機器の軌跡モード・スウィッチをオンにしておけば、実際に歩いた地点の経緯度、標高、時刻、歩行速度等が自動的に軌跡データとしてGPS機器のメモリーに記録されます。勿論、これらのデータはGPS機器が4つ以上の人工衛星との交信によって計算されたものです。

 この軌跡データは帰宅後、パソコンにUSBケーブルを通じてダウンロードされ、「カシミール3D」ソフトで分析したり、実際の地図上に自分が何処を歩いたかをプロットして表示出来ます。勿論、この軌跡データはCSV形式のTextデータなので、EXCELファイルに変換して自分で色々と分析することも出来ます。

 以下の頁(2)、(3)、及び(4)では、上述の流れの実際をウォーキング・ルートの歩行の実例を使って説明致します。それらの各頁へは、この頁上部の目次を使ってリンクして下さい。