(6)描画に便利な補助機能

トレース
描画に便利な補助機能は何といってもこのトレース機能でしょう。
 先ず第一に、元絵になるデジカメ写真かイラストをJPG形式のファイルで用意します。サイズは大きくても700X483ピクセル以下にします。 普通は650X450ピクセル位が適当でしょう。

 次に、いよいよ水彩7を立ち上げます。水彩7の画面が表示されると、自動的に空の白いキャンバスが開かれますが、後で元絵を読み込んだ時にその元絵に合わせてキャンバス・サイズは調整されますので、この時点ではそのサイズは気にする必要はありません。

 その後で、保存とか印刷のツール・ボックスがあるツール・バーの中程より少し右寄りにあるトレースのアイコンをクリックして下さい。すると、「背景となるファイルの選択」ウィンドウが表示されます。これは元絵として予め用意したファイルの名前と場所を指定するウィンドウですが、そのウィンドウの最下段に「レイヤーの種類」という指定欄がありますので、先ずをクリックしてトレースをセロファン・モードカーボン紙・モードで使うかを選んで下さい。セロファン・モードはカーボン紙・モードより元絵がはっきり透き通って見えますが、それがかえって自分の描画を邪魔することがありますので、小生は元絵がより薄くみえるカーボン紙・モードをお勧めします。

 その上で、使おうとしている元絵の場所と名前を指定してから、「開くボタン」をクリックすると、キャンバスに元絵が読み込まれ、右側のレイヤー・ウィンドウの最下層に背景レイヤーが読み込まれたチェックが入ります。

 その後で、表示されているレイヤーに「下書き」或いは「デッサン」というような名前を付けてから、黒色の最細の鉛筆で元絵をなぞって行けば(トレース)、「下書き」レイヤーにデッサンが描ける訳です。レイヤーに名前を付けるには、そのレイヤーをダブルクリックすると、レイヤーのプロパティ・ウィンドウが表示されますので、レイヤー名欄に「下書き」のような内容が判る名前を付け加えてことが出来ます。こうしておくとレイヤーの後々の管理に非常に役立ちます。「レイヤー1下書き」のように予め付けられている「レイヤー1」も残しておくのも後で参考になります。

 「下書き」はその描画が殆ど完成した時点で、削除しても良いし、或いはプロパティの透明度を調整して、微かにデッサンの線が残るようにすることも一考です。

虫眼鏡
絵の細かい部分を描いたり、バケツやグラデーションのための範囲の隙間をチェックするのに、ある特定の部分を拡大して見ることが出来る虫眼鏡は大変役立ちます。

 虫眼鏡のアイコンをクリックすると、キャンバス上でマウス・カーサーが点線の十字に変わります。そのマウス・カーサーで拡大したい場所を斜め下にドラグすると、小さい点線の四角と大きい実線の四角が現れます。その小さい点線の四角の中をクリックすると、その部分が拡大されて表示されます。拡大表示された部分で隙間などのチェックも出来るだけでなく、描画も出来ます。拡大したい部分の範囲指定を余り大きく取ろうとするとこの虫眼鏡機能は働きませんので、範囲指定のドラッグは適当な小ささに収めてください。

 虫眼鏡のアイコンが灰色になっていて使えないことがあります。これはキャンバスが100%表示になっていない時で、虫眼鏡を使うときには、キャンバスを100%表示に直してから使ってください。

 + 挟みと投げ縄
挟みアイコンをクリックしておいて、投げ縄アイコンで閉じた範囲指定すると、その部分が切り取られ、削除されることになります。 消しゴムで広い部分を消そうとすると、ごしごしと手間が掛りますが、この機能を使うと、簡単に広い部分を消すことが出来ます。

 或いは マスク 或いは 反転マスク
ある範囲内には筆が滑っても絶対に絵具が塗られないようにしたい場合は、このマスク・モード機能で範囲を指定しておくと、その範囲内には仮に筆が走っても色が塗られません。

 例えば、マスク・アイコンをクリックしておいてから、投げ縄で山の稜線の下の部分を閉じた範囲指定しておいてから、空のグラデーションを描けると、稜線の上の空の部分だけにグラデーションが施されます。

 反転マスク・モードはその逆で、範囲指定した部分だけに色が塗られ、その他の部分には色がはみ出しません。

 この他、色々な便利な機能が水彩7には用意されていますが、上の基本的な機能に十分慣れてから、ユーザーズ・マニュアルやヘルプを参照されて、マスターされることを期待します。