(4)初心者に先ず必要な最低の描画ツール

 水彩7には色々な描画ツールとしての絵筆が用意されていますが、初心者が始めからそれ等全てを使いこなすことは不可能です。そこで、ここでは初心者が先ず使いこなす必要のある最低の描画ツールだけを選んで解説します。水彩7に十分慣れてきましたら、ご自分でソフトウェア付属のユーザーズ・マニュアルをじっくり参照されて勉強されることを期待します。


 最も良く使われる描画ツールとしての絵筆はこの「筆」です。このアイコンは描画ツール・ボックスの最左端に配置されていて、一番選び易いように考慮されています。先ず第一に、この筆はパレットで色を調合する場合に、筆の太さを右から3番目位にして行うのが最も適しています。

 筆を選択すると、右に示したようなオプション・ウィンドウが表示されます。筆を使う場合、このオプションの選択も大事です。
@はオプション・ウィンドウに付随して現れる表示される筆形状ウィンドウを表示するか、非表示にするかの選択するアイコンです。勿論、左側をクリックして、常に筆形状ウィンドウを表示しておくことをお勧めします。
Aは筆先の角度を変えるためのものです。赤い矢印をクリックすると角度を指定するウィンドウが表示されるので、そこで角度の数字を入力すれば、簡単に角度は変えられますが、初心者は余りこのことに気を遣わなくても良いでしょう。

Bは筆で描いた色を鉛筆で描かれた下絵を上書きするかしないかの選択をするもので、アイコンでも判るように左は筆で描いた色が透明となって下絵の線が残るようにするものです。

Cは筆に含んだ色が長持ちするか、かすれるように描かれるかを選択するもので、一般的には右側を選んで絵具が早くなくなって、かすれるように描くのが自然描写に近くなります。筆に含んだ絵具はどちらを選んでも段々なくなって行きますが、一旦キャンバスから筆を放すと、新たに絵具を筆に含むことになります。

Dは筆に付ける絵の具と水分の量を調整するもので、この割合を変えることによっても色の感じが大分変わって来ますので、色々試してみてください。

鉛筆

 鉛筆も下絵を描いたり、デッサンしたりする場合の必須の描画ツールです。鉛筆の太さは、鉛筆を選んだ時に表示される右図のようなオプション・ウィンドウでも判るように、3種類しかありません。鉛筆の芯の硬さもH,HB,Bの3種類です。初期設定では太さが最細で芯の堅さがHBに指定されていますので、特別の場合以外は、それを変える必要はないでしょう。

消しゴム

 消しゴムもなくてはならない描画ツールです。消しゴムを選択すると右図のようなオプション・ウィンドウが表示されます。
@は消しゴムの大きさ Aは消しゴムの形を指定します。
BCDは消しゴムの働き方のモードを指定する大変便利な機能です。
Bは鉛筆やペンで描いた下絵の線だけを消す指定です。
Cは下絵の線を残して絵具だけ消すことを指定します。
Dは下絵と絵具の両方を消すよう指定するとき使います。

マーカー

  マーカーは透明感のある線を描く時に使います。仕上に輪郭の線を描くのに適しています。マーカーのオプション指定は筆の場合と似ていますので、それに準じて考えてください。オプション・ウィンドウでは透明度の指定ができます。透明度は数値が上がる程薄い色で塗りつけることが出来ます。

バケツ
 バケツは鉛筆で囲んだ閉じた範囲に選んだ色を流し込んで一挙に塗り潰す大変便利な道具です。青空や同色の薄い背景などを塗り潰す時など便利です。塗り潰す範囲をマスク機能で指定することも出来ます。但し、指定した範囲が完全に閉じていないで、少しでも隙間があると、絵具が漏れ出して画面全体に拡がってしまう恐れがあります。隙間があるかどうかは、メニュー・バーの虫眼鏡機能で覗いてみてチェックが出来ます。バケツでも下のグラデーションでも、オプション・ウィンドウでは透明度と同一色の指定ができます。

グラデーション
 グラデーションは選択したグラデーション色で、指定した範囲を徐々に色が変化する形で塗り潰す道具です。 グラデーションの範囲指定が完全に閉じていないと、バケツの場合と同様に色が指定範囲の外に漏れてしまいますので、隙間がないかどうか細心の注意を払う必要があります。

 先ず最初に、グラデーションを施す範囲を鉛筆かマスク機能で指定します。

 次に、グラデーションのアイコンをクリックすると、右の上の図のようなオプション・ウィンドウが表示されます。そこには一応出来合いのグラデーションのサンプルが用意されていますが、当然目指すものと違いますので、それを変更する操作に入ります。

 先ず、グラデーションの方向の指定窓がそのサンプルの右横にありますので、下向きをクリックして、縦か横か円か右下がりか、或いは左下がりを選びます。そして、その右横の変更ボタンをクリックします。

 すると、右の下の図のようなグラデーション・ウィンドウが表示されます。そこで、始点の色、2番目の色、・・最後の色を指定するのですが、始点の色や2番目の色のボタンをクリックすると、マウス・ポインターが色を吸い取る為のスポイドに変わりますので、それで好みの色を指定すれば良いのです。色の指定は5つまで出来ますが、必ずしも全部指定する必要はありません。

 色の指定が全部終わりましたら、終了ボタンをクリックして下さい。するとマウス・ポインターがバケツ・アイコンに変わりますので、そのバケツ・アイコンで指定の範囲をクリックしますと、その範囲がグラデーション色で塗り潰されます。

文字入力

 文字入力機能を使って、書き上げた作品に文字を書き込むことが出来ます。

先ず、文字入力アイコンをクリックすると、レイヤー・ウィンドウに文字レイヤーが追加されたのが判ります。

次に、キャンバス上の文字を入力したい辺りをクリックすると、右図のような文字入力ウィンドウが表示されます。

 そのウィンドウで文字のフォント、スタイル、サイズを指定し、スポイト・ボタンをクリックして文字色を指定してから、文字列の枠の中に書き込みたい文字を入力し、OKボタンをクリックすれば文字入力は完了です。文字の場所はドラグすることで動かせます。
サイン
 絵画の作者のサイン上の文字入力と殆ど同じ方法で書き入れることが出来ます。サイン・アイコンをクリックして表示されるサイン入力ウィンドウも上の図の文字入力ウィンドウと殆ど同じです。

 但し、文字入力の場合と異なる点が2つあります。その1つはこの入力ウィンドウには色を指定する機能がありません。従って、サイン・アイコンをクリックする前に予め色の指定を済ましておかなければなりません。

 その第2はサインのためだけのレイヤーはつくられません。そのために、サインを書き込むためのレイヤーを予め指定しておかねばなりません。そのレイヤーの指定もサインが隠されてしまうような下層のレイヤに指定すると、折角書き入れたサインも作品上に現れません。サインの色と指定したレイヤーのその部分の色とのコントラスも考慮しなければなりません。