(A) オブジェクト指向(Object Oriented)の概念ソフトウェアの設計や開発において、操作手順よりも操作対象に重点を置く考え方で、システム開発の対象となる人間社会の事象をモデル化してシステム要件を記述する際に、そのモデルはObject「もの」とそれらの関連で表現するという手法です。データやその集合を現実世界の「もの」になぞらえた考え方であることから、Object指向と呼ばれる。例えば、我々が自動車を操作する際には、自動車の内部でどのような機械構造が働いているかを理解する必要はない。ただ自動車の操作方法だけを知っていれば、それで自動車を運転することができる。すなわち、「自動車」というオブジェクトは、自身(の内部を構成する機器)を動作させる手続きを知っており、それを利用するためには、(例えばハンドルで)適切なメッセージを与えるだけでよい。このように、何らかの「データ」と、それを操作するための「メソッド」の組み合わせが「オブジェクト」であると考えると、システム開発の対象のシステム要件をより的確に記述し、その結果より正確なシステム開発が出来るというアプローチです。 具体的には、システムを開発していく際、古くから行われていた操作手順を規定する代わりに、先ずシステムの構成要素をObject(もの)として捉え、そのObjectの属性(Property)を規定し、次にそれが行動(Action)を起こすメソッド(Method)を規定していけば、自ずとシステムは構築されるというものです。 Objectの属性(Property)を規定するということは、自動車という「もの」の名前、大きさ、重さなどを規定することであり、行動(Action)を規定するということは、アクセルを踏むと自動車が動き出し、ハンドルを右に廻せば自動車が右に曲がるということを規定するということです。これらのObjectの規定が完了すると自動車というシステムが構築されるという考えです。 (B)オブジェクト指向(Object Oriented)のApplicationシステム 前節で、MicrosoftのWORDやEXCELといったOfficeSystemもこのObject指向概念に立脚して構成されていると述べました。一般に、これらのSystemの操作を教える場合、大概の講師はメニュー・バーのコマンドやツール・バーのアイコンの機能を教えることから始めます。この方法で教わった生徒は非常に沢山用意されているツール・バーのアイコンを一々覚えなくてはなりません。 |