よく人様に何かを教える場合は、教える内容の3倍くらいのものを予め勉強しておかなければ本当に教えることは出来ないと言われています。このことは量的な意味だけでなく、質的な面でも真実を含んでいると思います。

 このレッスンは特にホームページ分科会の皆さん、或いはまなび三期会の皆さんを対象に意識した手引書ですから、当然将来人様を教える立場に立った場合には、単なる操作ステップを理解しているだけではなく、対象のソフトウェアの原理的な仕組みまでも理解しておいた方が宜しいだろうという意図で用意されました。

 昨年の平成19年度中、三期会の皆さんを対象に「ホームページ作成の基礎講座」を小生が企画・実施した折にも、上のような意図から、ホームページ・ビルダー11の単なる操作ステップだけでなく、最近のソストウェアの原理的な成り立ちなどを雑談的に混えてお話致しましたが、このことが必ずしも理解されなかったようで、ある方からそのような雑談を抜きにしてテキスト・ブックに書かれている操作ステップだけを講義すべしとのご批判を頂きました。

 小生一時期、街のパソコン教室に関係した経験がありますが、営利目的の街のパソコン教室では主としてそのようなパソコン操作を主体とした教え方をしています。しかし、そのようなパソコン操作を教えるだけでは、その特定の操作は覚えるだけで、全く応用力がつかないことを経験しています。

 機械やソフトウェアの操作だけに気を取れれていると、とんでもないことになるとうい卑近な例は、最近の税金の還付金詐欺にあった人の行動がそれを良く示しています。ショッピング・センターなどのATMで操作ステップを携帯電話を通じて指示されて、訳も判らず送金の操作をしてしまうのは、操作ステップに集中して自分ではどのような機能を実行しているか判らなくなってしまうからです。

 ことほど左様に、パソコンの勉強をするには単なる操作のステップを覚えるだけでなく、対象のソフトウェアの原理的な仕組みまでも理解しておくことも応用力をつける意味で大切です。ましてや人様に教える場合には然りです。

目  次

 Lesson No レッスンのテーマ 掲 載 日
(1)

ソフトウェア開発の歴史的流れの概要

2008/10/15
(2) オブジェクト指向のソフトウェア開発の概要 2008/10/15
(3) ホームページ・ビルダーとGolive6.0の場合 2008/10/15